人事評価制度の運用で「金額」ではなく「質」で勝負したい

株式会社マリン・ワーク・ジャパン

代表
曽野 和彦
従業員数
200名
事業内容
海洋・地球科学観測、データ・試料の分析並びに管理等の技術提供
URL
http://www.mwj.co.jp/

Q1.会社及び事業について教えてください。

当社は、「海を知る」、「地球を知る」をモットーに、 海洋・地球科学観測、データ・試料の分析並びに管理、公開・アウトリーチ(啓蒙活動)の技術提供を通じ、科学研究に貢献する会社です。また、データを取得する際の機材開発、販売も手掛けており、こちらもご好評を頂いております。

Q2.人事評価制度導入に至った理由、現状の課題は何ですか?

「納得感のある人事評価制度がないと、これから会社が立ち行かなくなるだろう」という危機感があったことが、人事評価制度導入の大きな理由です。現在、職員の高齢化が進んでおり、「年功序列だけでは計れない成果の評価」「若手人材の育成」が課題となっています。人事評価制度は会社の信頼度に直結し、これからの時代、人事評価制度が整っていない会社には人が来なくなると考えております。属人的な評価が許容される時代は過ぎました。今後の人事評価には公平性・透明性・公正性が重要だと考えています。会社の現状の課題と向き合い、勤続年数だけでは計れない成果を正当に評価し、更には将来を託していく人材の育成を計画的に進める為に、人事評価制度の導入を決意致しました。

Q3.人事評価制度導入にあたり、期待していることは何でしょうか?

将来的には、経営層を育てていく仕組み作りになることを期待しています。私が現場で仕事をしていた頃は、「人事評価」と言えば自分の実績を紙に書くだけの時代でしたが、現場で実務をやっているだけでは育たない部分というのは確かにあります。技術面ではなく、マネジメント力をはじめとした管理職として必要な能力を高めるツールとなることを、この人事評価制度に期待したいと思っています。また、自分の行動と実績をこまめに振り返ることは、会社全体の生産性が向上していくことに繋がっていくと考えます。人事評価制度の導入により、若手人材・経営層の育成を進めつつ、次の世代に引き継いでいくために会社としての体力を高めていくことを実現できればと思います。

 

Q4.なぜ、”あしたのチーム”を選ばれたのか?

最終的な決め手としては、大きく2点あります。1つは、コンピテンシーの実現によりMBOが達成されていくという「行動」と「成果」が連動型のシステムになっている点。もうひとつは、面談の機会が多く、高速でPDCAを回していくことが出来る点です。
評価段階を奇数にせず、4段階・6段階で行うことで曖昧さを排除し、合格か不合格かを明確にするという評価方法にも魅力を感じました。目標設定に関しても、最初は自分で文章を書く「自己目標設定」は箇条書きでも良いかと思っていましたが、文章表現能力を磨くという観点からも、目標設定を通じて文章を書く練習になることも、中長期的に見ると会社の力になるのではないかと思い至りました。また、人事評価制度の導入後も運用サポートがある点も、ひとつの決め手となりました。

 

Q5.人事評価制度を入れてからの効果について教えてください。

まずは、四半期の運用によりPDCAが高速になったことで、職員の自主性が高まったことが挙げられます。今までも年間スケジュールは立てていたものの、どこか行き当たりばったりのところがあると思っていましたが、意識的に先を見据えた行動をとる職員が増えてきました。これまでは心の内で思っているだけだったことも、目標として文章でアウトプットし実際に行動に移すようになってきたこと、そしてそれを四半期という極めて短いスパンで回していくことは、今後の会社の成長に繋がる大きな変化ではないでしょうか。そして、制度導入直後と現在を比べての大きな変化は、目標設定です。「NGワード」や「目標設定7つのポイント」が浸透してきて、具体的な目標が立てられるようになってきましたので、今後より期待効果を実感出来るのではないかと楽しみにしております。

 

Q6.人事評価制度を運用していく中での苦労、どうやって乗り越えましたか?

最も苦労している点は、四半期運用というスピード感になかなかついて行けない部分があることです。
評価・目標設定・面談を3ヶ月スパンで実施し、実質ほぼ毎月評価を行うという業務負荷に対しては、今現在も進行形で、社内ではまだまだ疑問の声があります。導入時からの経年変化をまとめた分析資料を作成していただく等、「あしたのチーム」にも手伝っていただき、高速でPDCAを回すことには業務負荷を上回るメリットもあるということの説明をしている最中です。
また、観測や調査の際に乗船し海へ出てしまうと、長期に渡りインターネット接続ができない環境となるので、その際の運用をどうしていくかは今後の課題です。こちらも「あしたのチーム」に相談し、対応方法をご提案いただきながら、最も良い方法を検討しているところです。

Q7.働き方改革に向けた取り組みについて。

有給取得・残業時間短縮につなげる為の施策は、昨年から取り組んでいます。乗船して海洋調査に出ている職員への働き方改革としては、交代制の見直しがありますが、そのためには乗船人員を増やす必要があります。これは船舶の構造にも関係することであり、現実問題難しいところもありますが、私自らお客様に直接お話しし契約内容を精査することで、社内でだけでなく現場にいる職員の働く環境も整えていくように進めております。

 

Q8.今後、さらに人事評価制度の運用により改善したい課題は何でしょうか?

ひとつは労働法制の適用です。こちらはマストで行わなければならないことですが、それ以外で申しますと、これからはより一層、「金額」ではなく「質」で勝負したいと思っております。金額面だけでの勝負では、我々のような中小企業は大きな会社にとても敵いません。これから先長く生き残る会社に育てていく為にも、質を高めることが求められています。
質を上げていく為には、まずは生産性を上げること、そしてこれまでどうしても縦割りになっていた組織形態から横との連携をつくることが重要だと感じております。この「質を上げる」という点に関して、コンピテンシーの自己目標設定による行動改善で実現していくことを期待しています。

 

Q9.あしたのチームの運用おせっかいやクラウドサービスに対するご要望をお聞かせください。

海上に出ている際に使用する為に、インターネット環境がなくてもExcelやCSVを使用する等してやりとりが出来るようなインターフェイスを開発していただけると有難いです。コンピテンシーとMBOで最終評価にしていくので、MBOを高めていくコンピテンシー項目を探すためのワークシートのようなツールがあると自社内での見直しもしやすく、目標設定の時間の圧縮・レベルの向上に繋がるのではないかと思います。また、外国人への対応として、1つのツールの中で日本語と英語を選択できるようになるといいのではないかと思います。